老化速度を遅らせ健康寿命を延ばすことは多くの方の願いです
介護に頼らず自ら考え行動する。そんな活動が可能な健康寿命を延ばすことがアクティブ志向の残ったシニアの生活を謳歌させることにつながるのではないでしょうか。
そんな願いを叶えるためには、日ごろの運動に並び良い食事と生活習慣を実践し、老化速度を遅らせることが有効です。
この投稿では、老化を進めてしまう原因とその対応の一般論について綴ります。私の具体的対応につきましては、別のカテゴリにて都度投稿させていただきます。
老化原因
食事と生活習慣の関わりにより老化原因には酸化、糖化、炎症と言う現象があります。
では、それらにつき個々に原因と対策を述べさせていただきます。
酸化の原因
活性酸素は、体内に酸素を取り込む際に、一部が他の物質と反応して生成されるものであり、酸化に大きく関わる物質です。
本来、活性酸素は体内のウイルスや細菌を攻撃する物ですが、増えすぎると細胞膜やDNAなどを傷つけ、様々な悪影響を及ぼします。勢力を増し過ぎた家来が謀反を起こすような時代劇に見るようなイメージに似ています。
活性酸素が増える原因としては、紫外線や喫煙、ストレスなどが挙げられます。また、加齢とともに体内の抗酸化作用が低下することも、活性酸素が増える原因となります。
酸化による細胞へのダメージ
- 細胞膜の脂質を酸化し、細胞膜の機能を低下させる
- DNAを傷つけ、遺伝子の変異を引き起こす
- たんぱく質を酸化し、酵素などの機能を低下させる
これらのダメージが蓄積することで、細胞の機能が低下し、老化が促進されると考えられています。
酸化によるダメージ例
シミ、シワ、たるみ
![しわの比較](https://senior.noteta.net/wp-content/uploads/2024/05/bb662f37-20c5-43df-af09-adb2a84797f7.jpg)
皮膚の細胞がダメージを受け、コラーゲンやエラスチンの生成が減少することで起こります。
白髪
毛根のメラノサイトがダメージを受け、メラニン色素の生成が減少することで起こります。
動脈硬化
血管の内側の細胞がダメージを受け、コレステロールなどが蓄積しやすくなることで起こります。
認知症
脳の神経細胞がダメージを受け、記憶力や判断力が低下することで起こります。
酸化対策
活性酸素の増加を抑えることが重要です。そのためには、
- 抗酸化物質を多く含む食品を摂取する:ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなど
- 紫外線対策をしっかり行う:日焼け止めを塗ったり、帽子やサングラスを着用したりする
- 喫煙を避ける
- ストレスを溜めない
- 適度な運動をする
- 十分な睡眠をとる
これらの対策を継続することで、老化を抑制し、健康的な生活を送ることができます。
糖化の原因
揚げ物、焼き物などの加熱によって生成(メイラード反応)されたり、非加熱でも体内では常にゆっくりと進行している反応(アマーリ反応)により生成されるAGEsが細胞膜を硬化させたり、DNAを傷つけたりして細胞の機能を低下させたり、炎症を引き起こす物質が生成したり、血管の内側に蓄積して、血管を硬くして、動脈硬化などの原因となったりします。
糖化によるダメージ例
シミ、シワ、たるみ
皮膚のコラーゲンやエラスチンがAGEsによって変性し、弾力が失われる。
白髪
毛根のメラノサイトがAGEsによってダメージを受け、メラニン色素の生成が減少する。
動脈硬化
血管が硬くなり、血流が悪くなる
糖尿病
インスリンの働きが阻害され、血糖値が高くなる。
アルツハイマー病
アルツハイマー病:脳の神経細胞がAGEsによってダメージを受ける。
糖化対策
- 糖質の摂取量を控える:糖質の摂取量を控えることで、体内の余分な糖が減り、糖化反応が抑制されます。
- 抗酸化物質を多く含む食品を摂取する:ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなど、抗酸化物質には、活性酸素を除去する作用があり、糖化反応を抑制する効果があります。
- 適度な運動をする:運動すると、体内の糖が使われ、血糖値が下がります。また、運動によって活性酸素が除去されます。
- 十分な睡眠をとる:睡眠不足は、活性酸素を増やす原因となります。
- ストレスを溜めない:ストレスも活性酸素を増やす原因となります。
糖化は、加齢とともに自然に進行する現象ですが、生活習慣によってある程度抑制することができます。
炎症の原因
病原体(細菌やウイルスなど)が体内に侵入したり、外傷を受けたりした際に起こる、免疫システムの防御反応が炎症です。
近年、加齢とともに体内に慢性炎症が起きていることが明らかになってきました。慢性炎症とは、本来であれば治まるはずの炎症が、長期間にわたって持続し老化を促進します。
慢性炎症が続くと次のように悪循環が発生します。
- 活性酸素の増加: 慢性炎症によって活性酸素が増加し、細胞を傷つけます。
- 老化細胞の増加: 老化細胞は、炎症促進物質を分泌し、周囲の組織に炎症を引き起こします。
- DNA損傷: 活性酸素によるDNA損傷は、遺伝子の異常や老化細胞の蓄積につながります。
- 免疫機能の低下: 加齢とともに免疫機能が低下し、老化細胞を除去できなくなります。
炎症によるダメージ例
動脈硬化症
血管内皮細胞と呼ばれる血管の内側を覆う細胞が傷つき、炎症が起こります。
心筋梗塞
冠動脈が何らかの原因で狭窄または閉塞し、心筋への血液供給が途絶えることによって起こり炎症が深く関与していることが明らかになっています。
脳卒中
脳への血液供給が途絶えることによって起こる病気です。脳卒中には、脳梗塞と脳出血の2種類があります。近年、脳卒中も単なる血管の閉塞ではなく、炎症が深く関与していることが明らかになってきました。
糖尿病
血糖値が慢性的に高くなる病気です。近年、糖尿病は単なる血糖値の上昇ではなく、慢性炎症性疾患であることが明らかになってきました。
骨粗鬆症
骨密度と骨質が低下し、骨折しやすくなる病気です。近年、骨粗鬆症の発症にも炎症が重要な役割を果たしていることが明らかになってきました。
サルコペニア
サルコペニアは、加齢とともに筋肉量が減少し、筋力や筋機能が低下する病気です。近年、サルコペニアの発症にも炎症が重要な役割を果たしていることが明らかになってきました。
炎症対策
慢性炎症は、生活習慣の改善によってある程度抑制することができるのが特徴です。
- 食生活: 抗酸化物質や抗炎症作用のある食品を積極的に摂取する。加工食品や糖質の多い食品を控える。
- 運動: 適度な運動を習慣にする
- ストレス: ストレスを溜めない。
- 禁煙: 喫煙は炎症を促進するため、禁煙する
- 節酒: 過度な飲酒は炎症を促進するため、節酒する。
まとめ
酸化、糖化、炎症の対策内容の共通点に目を付けると効率が良いと思います。その考えで整理すると運動の習慣化、ストレスを溜めない、十分な睡眠、禁煙などの生活習慣の見直しの内容が多いことに気付きます。
食事面では抗酸化物質の摂取が大きな成果を生むことがわかります。
但し、日本人として困るのは糖化対策の『糖質の摂取量を控える』という食事の対策です。これには、日本人にとっては、『白米を食うな』も含みます。『ジュースは飲まない方がいい』くらいは相手が家族であれば自信を持って言いますが、『白米を食うな』と言ったらどうなるでしょうか?私は言えませんね。
(繊維質を取って血糖値の急上昇を抑えるために)『最初に野菜を食べなさい』が我が家にとっては適切だと思うのが正直なところです。糖化における砂糖断ちの是非も同様で、どこまでやるか問題はあると思います。『ポカリスエットはだめ』『レッドブルはだめ』『ヤクルト1000は糖質によるデメリットが大きすぎてだめ』と示唆することはできますが、『絶対にケーキはだめ』とは誰にも言えません。
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